セレック治療
最短1日で、美しく機能的な白い歯へ
セレック治療は、CAD/CAMシステムを用いて、セラミック素材の詰め物や被せ物などをコンピューター制御で設計・製作する先進的な治療法です。従来の治療では、銀歯やセラミック修復物を製作する際に型取りを行い、歯科技工所に依頼するため、完成まで通常1~2週間を要していました。
一方セレックでは、設計から削り出しまでを院内で完結でき、最短で当日に治療が完了します。適合性の高いセラミック修復物をその日のうちに装着できるため、通院回数や負担を大幅に軽減できます。
さらに、セラミックは自然な白さと十分な強度を兼ね備えており、審美性・機能性ともに優れた修復物をご提供できます。
セレック治療について
セレック治療では、まず口腔内を3D光学カメラでスキャンし、歯の形をデジタルデータとして取り込みます。これにより、従来の印象材を使った型取りが不要となり、嘔吐反射や不快感が少なく済みます。
次に、取り込んだデータをもとに専用ソフトで修復物を設計します。噛み合わせや歯の形態を考慮し、コンピュータがミクロン単位で精密な設計を行います。
最後に、設計データをミリングマシンに送り、セラミックブロックを削り出して修復物を作製します。その場で完成品を確認し、必要に応じて調整した後、口腔内に装着します。これらの工程を院内で完結できる点が、セレックの大きな強みです。
セレック治療が向いている方
- 銀歯を自然な白い歯に変えたい。
- 口腔内に金属アレルギーがある。
- 高精度な歯科治療を受けたい。
- 治療を早く終わらせたい。
セレック治療の特徴とメリット
- 二次感染のリスクを抑えやすい
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歯を削った直後は清潔な状態にあります。セレックを用いることで、その日のうちに修復物を装着できる場合があり、従来のように製作期間中に歯の内部が細菌にさらされるリスクを軽減できるとされています。
- 長期的な予後に関する報告
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メーカー(デンツプライシロナ社)の資料では、セレック治療は17年間で88.7%の生存率が示されています。
一方、保険診療で用いられる樹脂や金属修復は、おおよそ5年で再治療となる例が多いとする疫学調査も報告されています。(あくまで一般的なデータであり、予後は口腔内環境や清掃状態により個人差があります)
- 短時間で治療が完了する場合がある
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比較的軽度な症例であれば、90分程度で修復物の製作と装着まで行えることがあります。そのため、通院回数を減らせる可能性があります。
- 金属を使用しない素材
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セラミックは金属を含まないため、金属アレルギーのリスクが少ないと考えられています。生体親和性が高い素材であることも特徴です。
- 自然な見た目の再現
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高品質なセラミックスを使用することで、天然歯に近い色調と透明感を再現でき、自然な仕上がりを期待できます。
- プラークが付着しにくい素材
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セラミックはプラーク(歯垢)が付着しにくく、歯に高精度で適合するため、二次むし歯の発生リスクを抑制しやすいとされています。
- 快適な型取り
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口腔内スキャナーで直接歯列を読み取るため、従来のような粘土状の印象材を噛む必要がなく、嘔吐反射のある方でも負担を軽減しやすい方法です。
ワンビジットトリートメントの流れ
1お口の中をスキャン
口腔内スキャナーでお口の中をスキャン(撮影)します。
従来の型取りのような不快感はなく、処置時間も数分程度で完了します。
2詰め物、被せ物をデザイン
スキャンしたデータを多角度から確認し、患者様にとって最適な歯の形状をデザインします。さまざまなセラミックブロックから、患者様の歯の色に近いものを選択します。
3歯を製作する
設計データをミリングマシンに送り、セラミックブロックを削り出します。完成した詰め物・被せ物は、その場で調整を行ったうえで口腔内に装着して、治療が完了します。
※症例によって所要時間は異なります。むし歯の大きさや歯ぐき・神経の状態によっては、当日のセレック治療が難しい場合があります。
費用について
インレー小臼歯 | 1歯 88,000円(税込) |
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インレー大臼歯 | 1歯 110,000円(税込) |
クラウン小臼歯 | 1歯 121,000円(税込) |
クラウン大臼歯 | 1歯 143,000円(税込) |
セレック治療の注意点
- セレック治療はすべての症例に適応できるわけではありません。歯の欠損の大きさやかみ合わせの状態により、従来の補綴治療が適している場合もあります。
- 治療の効果や持続性には個人差があり、日々の口腔清掃や定期的なメンテナンスが予後を左右します。